【はじめに】
東アフリカ市場は、日本の中古車輸出において最も安定した需要を持つ地域です。
ケニア・タンザニア・ウガンダ・ザンビア・マラウイ・モザンビークなど、いずれも日本製中古車への信頼が厚く、
「右ハンドル」「低走行」「整備状態の良さ」が高く評価されています。
本記事では、東アフリカの物流の要となる
■ ケニアの「モンバサ港」
■ タンザニアの「ダルエスサラーム港」
に焦点を当て、これら2港がどのように東アフリカ全体の中古車価格を形成しているのかを俯瞰します。
【モンバサ港:ケニアと内陸国をつなぐ“ハブ”】
モンバサ港は、ケニア本土だけでなく、ウガンダ・ルワンダ・南スーダンなど周辺国への中古車「再輸出拠点」としても機能しています。
右ハンドル車の流通量が圧倒的に多く、港湾整備が進み、航路数・入港頻度ともに安定しています。
主な特徴:
・物流の強み:航路の多さ、通関スピードの速さ
・コスト面:港湾費用・通関費は上昇傾向
・価格形成要因:為替(KES)、保険料、再輸出向け陸送費(ウガンダなど)
特に2024年以降は、港湾利用料や車両保管料の上昇が見られ、
「モンバサ経由コストの上振れ」が地域全体の価格に波及し始めています。
ケニア国内では依然としてハイブリッド車・SUV・商用バンの需要が堅調に伸びています。
【ダルエスサラーム港:内陸国を支える“ゲートウェイ”】
タンザニアのダルエスサラーム港は、ザンビア・マラウイ・DRコンゴ東部向けの主要玄関口として成長してきました。
港湾設備の拡張により、RORO船の寄港数が増加し、
東アフリカ南部の物流の中核を担う存在になっています。
主な特徴:
・物流の強み:ザンビアやDRCなど内陸国との距離の短さ
・コスト面:港湾ストレージ費用の上昇傾向
・価格形成要因:為替(TZS)、内陸輸送費、港混雑時の滞留リスク
ダル港経由は、内陸国向けコストを抑えられる一方、
港湾混雑による滞船が長期化すると輸出業者・現地ディーラー双方の負担増につながるリスクもあります。
【東アフリカ価格構造の“見えない地図”】
モンバサ港とダル港は、それぞれ異なる経済圏を形成しながらも、
相互に価格を牽制し合う関係にあります。
たとえば、
・ケニアで通関費が上昇すると、ザンビアやマラウイのバイヤーはダル港経由にシフト
・逆に、タンザニア側で港湾混雑が続けば、モンバサ経由を選択
このように、両港は東アフリカ全体における「価格のベースライン」を作っています。
港湾コスト・為替・内陸輸送費・船賃の変動が、1台あたりの販売価格に直接反映される構造です。
つまり、この「価格地図」を理解することは、単なるコスト比較ではなく、
“市場を読む力”そのものであり、戦略的輸出判断の基礎になります。
【エブリィの視点:TBTMビジネスにおける東アフリカの重要性】
EVERYでは、東アフリカをTBTM(Truck・Bus・Tractor・Machinery)の主戦場と位置づけています。
特に商用トラック・バス・農業用トラクターは、都市化と農業開発の両面から今後も需要拡大が見込まれます。
私たちは「どの港を使うか」だけでなく、
・最終販売価格からの逆算設計
・港湾・為替・リードタイムの複合分析
を通じて、顧客と共に市場を設計していくアプローチを採用しています。
単なる販売ではなく、データと現場感覚を融合した“市場共創型ビジネス”がエブリィの特徴です。
【まとめ】
ダル港とモンバサ港を軸にした東アフリカ市場は、
「物流 × 通貨 × 需要」の三要素で成り立つ“連動市場”です。
どちらの港を基点にするかは、コストだけでなく、
・対象国
・車種
・季節要因
・為替動向
といった多面的な要素を組み合わせて最適化する必要があります。
エブリィは今後も、東アフリカの市場変化を継続的に追い、
TBTM分野における「日本の商用車・特殊車両の信頼価値」をさらに高めていきます。
【中古車輸出コンサルティングに関するご相談】
市場選定、価格設計、物流ルートの最適化など、
“市場の読み解き”が必要なテーマについて、
エブリィではTBTM視点で伴走支援を行っています。
短期の壁打ちから継続的なモニタリングまで、お気軽にお問い合わせください。
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