中古車輸出という仕事を始めたばかりの頃、私には十分な実績も、経験に裏打ちされた知識も、会社としての信用もほとんどありませんでしたが、それでも遠い国のお客様は、まだ何者でもなかった私たちを信じ、大切なお金を日本に送ってくれました。
今になって振り返ると、その事実の重さを当時の私は本当の意味では理解しきれていなかったのかもしれません。
車を仕入れ、書類を整え、輸出手続きを進め、船に載せ、現地の港に到着するまでを管理するという一連の流れは、こちらにとっては業務として整理されていくものですが、お客様にとっては、実物を簡単に確認できない車に対して先に代金を支払い、遠く離れた日本の会社の言葉と対応だけを頼りに到着を待つという、大きな判断だったはずです。
初めての取引で私が強く感じたのは、商売とは単に商品を売る行為ではなく、相手の不安を引き受け、その不安を少しずつ減らしながら、最後まで約束を形にしていく行為なのだということでした。
中古車輸出では、お客様が日本に来て車を見ることは簡単ではなく、写真、説明文、メールや電話でのやり取り、そして私たちの対応の一つひとつを材料にして判断するしかありません。
だからこそ、返信が少し遅れること、説明が曖昧になること、確認が甘くなることが、こちらが考えている以上に相手の不安を大きくしてしまうということを、最初の取引を通じて学びました。
私たちが扱っている日本車は、日本国内で役割を終えた後も、別の国で新しい価値を持ち、誰かの暮らしや仕事を支える存在になるわけですから、その橋渡しをする会社が軽い姿勢で向き合ってよいはずがありません。
初めての取引で得た最も大きな学びは、信頼とは言葉で獲得するものではなく、連絡、確認、説明、報告、約束の履行といった日々の細かな行動によって、少しずつ積み上がっていくものだということです。
逆に言えば、信頼を失うときも、必ずしも大きな失敗だけが原因になるわけではなく、小さな曖昧さ、小さな怠慢、小さな不誠実が積み重なった先に、相手の心の中で静かに崩れていくものなのだと思います。
会社が小さいうちは、仕組みも十分ではなく、人も少なく、経験も足りませんでしたが、それでも信頼に対する姿勢だけは最初から妥協してはいけないという感覚は、初めての取引の緊張感の中で私の中に深く刻まれました。
一台を販売できた喜び以上に、自分たちはこれからこの責任を背負い続ける仕事を選んだのだという、静かな覚悟のようなものが残りました。
株式会社EVERY TRADINGは、これまで世界100カ国以上のお客様と取引をしてきましたが、その原点をたどれば、すべては初めての一台に戻ります。
まだ実績も少なく、会社としての信用も十分ではなかった時期に、遠い日本にいる私たちを信じてくれたお客様がいたからこそ、私はこの仕事における信頼の重さを知ることができました。
信頼は、会社にとって財産であると同時に、決して粗末に扱ってはいけない預かり物でもあります。
経験を重ねれば、仕事は早くなり、判断も正確になりますが、その一方で、慣れによって一台一台の取引の重みを見失ってしまうなら、それは経営にとって非常に危険なことです。
これからも、初めての取引で感じた緊張感を忘れず、日本車を必要としている世界のお客様に対して、誠実に、正確に、そして長く信頼される仕事を積み重ねていきたいと思います。
株式会社EVERY TRADING
代表取締役 渡部雄一郎
あなたのクルマを、必要としている国へ
トラック・中古車買取/エブリィ/新潟県新潟市
自動車輸出・貿易コンサルティング/株式会社エブリィ
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