今でこそ、株式会社EVERY TRADINGは世界100カ国以上と取引をさせていただき、日本の中古車、トラック、バス、農機具などを海外へ届ける仕事を続けています。しかし、当然のことながら、最初から実績があったわけではありません。
信頼も、取引先も、仕組みも、十分な資金もありませんでした。あったのは、このビジネスを形にしたいという思いと、目の前の一件に向き合う姿勢だけでした。
創業当時を振り返ると、本当に分からないことだらけでした。
そもそも、中古車の仕入れ方も最初はよく分かっていませんでした。中古車輸出をするには、当然ながら車を仕入れなければなりません。しかし、どこから仕入れるのか、どのように価格を判断するのか、車両状態をどう見ればよいのか、最初から分かっていたわけではありません。中古車オークションという存在すら、当時は知りませんでした。
今思えば、仕入れは中古車ビジネスの根幹です。そこで判断を間違えれば、お客様にも迷惑をかけますし、会社にも損失が出ます。しかし創業当時は、その根幹の部分から一つずつ覚えていくしかありませんでした。
書類の名義変更すらできませんでした。車検証を見ても、どこをどう確認すればよいのか。名義変更に何が必要なのか。どの書類を揃えればよいのか。どこへ行って、どの順番で手続きをすればよいのか。今では当たり前のように扱っていることでも、当時の私にとっては一つひとつが壁でした。
輸出手続きについても同じです。知識も経験も、まったくありませんでした。
船積み、通関、輸出抹消、B/L、インボイス、パッキング、現地港までの流れ。今でこそ日常業務として扱っていますが、創業当時はその全体像どころか、一つひとつの意味も分かっていませんでした。
分からないので、船会社に一から相談したこともあります。そのときに、「そんなことも知らないの?」というようなことを言われたこともあり、正直、悔しい気持ちはありました。
しかし、今思えば、そのときに恥をかいた経験は決して無駄ではありませんでした。分からないことを、分からないままにしない。人に聞く。調べる。実際にやってみる。間違えたら直す。その繰り返しが、少しずつ会社の力になっていきました。
創業当時は、問い合わせが来ればすぐに返信し、車両を探し、価格を確認し、状態を調べ、相手に伝え、送金を確認し、輸出の手続きを進める。そのすべてを手探りで覚えていきました。
一つ理解したと思っても、次の取引でまた新しい問題が出てきます。国が変われば規制も違います。車種が変われば確認すべき点も変わります。お客様の使い方が変われば、提案すべき車両も変わります。そのたびに調べ、確認し、失敗し、改善していく。その繰り返しでした。
海外のお客様は、遠い国から日本の会社を信じてお金を送ってくださいます。実物を直接見ることができない中で、写真や説明を頼りに判断されます。その責任は、思っていた以上に重いものでした。
それでも、このビジネスの魅力を心から感じていました。
日本車は、日本のものづくりが生んだ大切な資産です。特に働く日本車には、日本人の誠実な仕事や技術の積み重ねが詰まっています。それを世界へ届けることは、日本の魅力を世界へ広めることでもあります。
この感覚は、今の仕事観にもつながっています。
だからこそ、今も一件一件の対応を大切にしなければならない。一台一台の車両に責任を持たなければならない。世界のお客様が日本を信じてくださる以上、その信頼に応える会社であり続けなければならない。
創業当時の現実は、厳しいものでした。
中古車の仕入れ方も分からなかった。書類の名義変更すらできなかった。輸出手続きも分からず、船会社に一から相談して恥をかいたこともありました。それでも、分からないことから逃げずに、一つずつ覚えてきました。
今振り返ると、創業当時の現実こそが、EVERYの原点だったのだと思います。きれいな成功の話ではありませんが、会社にとって大切な土台は、そこにありました。
これから会社がどれだけ変わっても、その感覚だけは忘れずにいたいと思います。
次回は、初めての取引で感じた信頼の重さについて書きたいと思います。
株式会社EVERY TRADING
代表取締役 渡部雄一郎
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