中古車輸出の仕事を20年続け、世界100カ国以上と取引をしてきましたが、長く取引が続く顧客もいれば一度の取引で終わる顧客も多数います。
その違いは価格や商品の良し悪しだけではありません。
私が感じているのは、顧客との関係は「作ろう」として作るものではなく、日々の一つ一つの仕事の結果として少しずつ出来上がっていくものだということです。
関係は、小さな仕事の積み重ねから生まれる
問い合わせに早く返信する。
車両を探す。
写真を送る。
書類を準備する。
船積みを進める。
問題が起きれば状況を説明する。
顧客の細かいニーズを的確に把握する。
一つひとつを見ればどれも特別なことではありませんが、これらの小さな対応を積み重ねていくことで「この会社なら大丈夫だろう」という感覚が少しずつ生まれていくのではないでしょうか。
EVERYでは「スピード」を単なる業務効率とは考えていません。
「スピード」はサービスであり、顧客に対する「誠意」でもあります。
特に海外との取引では、返事が来ない時間そのものが顧客の不安になります。
だから、すぐに答えが出ない場合でも、まず状況を伝える。問題が起きたときほど、すぐにこちらから連絡する。
そうした姿勢も、顧客との関係をつくる大切な仕事だと考えています。
20年前の取引が、もう一度つながった
顧客との関係の本当の価値は、時間が経ってから分かることもあります。
今年、約20年前にEVERYからSUBARU FORESTERを購入したケニアの顧客から、新たな車両の注文をいただく機会がありました。
20年前に購入した車両を長く使用し、今回、新しい車へ乗り換えることになったそうです。
20年前の一台の取引が、その時だけの売上で終わらず、長い時間を経て再びEVERYとの取引につながった。
私はこの出来事を社内で「信頼の複利」と表現しました。
売上はその時点で計上されます。
しかし信頼には決算期がありません。
一台の販売、一通のメール、一回の電話、一つの問題への対応。
その時には小さく見える仕事が、何年、時には何十年という時間の中で大きな価値に変わることがあります。
取引がなくても、関係は続いている
また今年、タンザニアの顧客と約10年ぶりに日本で直接会う機会がありました。
特別に大きな商談があったわけではありません。
それでも、同じ場所で顔を合わせて話をする時間には、オンラインだけでは得られないものがありました。
長く取引を続けるということは、常に商談をしているということではないと思います。
しばらく取引がない時期があっても、何かあれば再び連絡を取り合える。
久しぶりに会っても、それまでの関係から自然に話を始められる。
そうした距離感も、長期的な関係の一つの形なのだと思います。
海外取引では「安心」そのものが価値になる
海外の顧客にとって、日本から車両を購入することには多くの不安があります。
車両を実際に見ることができない。
先に大きな金額を海外へ送金する。
船積みには時間がかかる。
国によって輸入制度も異なる。
だからこそ、顧客が求めているのは、単に安い商品だけではないのだと思います。
「この会社なら相談できる」
「何かあったときも連絡が取れる」
「次もここに聞いてみよう」
そう思ってもらえる関係をつくること。
それが貿易商社にとって非常に重要な資産になります。
信頼には、時間が必要だと思う
20年間この仕事を続けてきて感じるのは、良い関係ほど短期間ではつくれないということです。
結局は、約束を守ること。
早く動くこと。
誠実に伝えること。
困ったときに逃げないこと。
今日の一つの対応が、10年後、20年後の関係につながるかもしれません。
そう考えながら、これからも世界の顧客と向き合っていきたいと思います。
株式会社EVERY TRADING
代表取締役 渡部雄一郎
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