CEOブログ|日本車を世界に届ける意味

私たち株式会社EVERY TRADINGは、日本の中古車を世界へ輸出する仕事をしています。
中古車輸出という言葉だけを見ると、単に車を仕入れて海外へ販売している会社のように見えるかもしれませんが、私自身はこの仕事を、ただ車を売る仕事だとは考えていません。
日本で役目を終えた車を、もう一度必要としている国へ届けること。
日本で大切に使われてきた車を、世界の誰かの仕事や生活につなげていくこと。
そこに、この仕事の本当の意味があると思っています。

特に私たちが扱うトラック、バス、トラクター、建設機械などは、単なる移動手段ではなく、人を運び、荷物を運び、畑を耕し、道をつくり、仕事を生み出し、生活を支えるための車です。
こうした「働く日本車」は、海外の現場で本当に必要とされています。
私たちが一台を輸出することで、その国のどこかで仕事が動き、家族の生活が支えられ、地域の経済が少し前に進むことがあります。
そう考えると、一台一台の車には、単なる商品以上の価値があると感じます。

創業してから、これまで多くの国のお客様と取引をしてきました。
アフリカ、カリブ、アジア、太平洋地域など、国も文化も言葉も違えば、商習慣や考え方も違います。
それでも、長くこの仕事を続けていると、共通して感じることがあります。
それは、日本車に対する信頼です。
「Japanese vehicle is strong」
「Japanese truck is reliable」
「Japanese quality is different」
海外のお客様から、こうした言葉を何度も聞いてきました。

これは、私たち輸出業者だけの力ではありません。
日本のメーカーが長年積み重ねてきた品質、整備や点検を大切にする日本の文化、物を丁寧に扱う日本人の姿勢、そして日本の現場で実際に働き続けてきた車両の実績が重なり合って、世界からの信頼になっているのだと思います。
私は、日本車は日本が生んだ「日本の宝」の一つだと考えています。
それは新車だけではなく、中古車にも同じことが言えます。

むしろ、海外では中古の日本車だからこそ必要とされる場面が多くあります。
価格、耐久性、整備性、部品の入手性、そして実際の現場で使い続けられる安心感があるからこそ、日本車は世界中で選ばれています。
日本国内では、年式が古い車や走行距離の多い車は、価値が下がったように見られることがありますが、世界に目を向けると、まだまだ必要とされている車がたくさんあります。
日本では役目を終えたように見える車でも、別の国ではこれから何年も働き続けることがあり、それを見るたびに、物の価値は一つの国の中だけでは決まらないのだと感じます。
必要としている人のもとへ届いたとき、もう一度価値が生まれる。
この仕事には、そういう深さがあります。

もちろん、きれいごとだけではありません。
中古車輸出の仕事には、車両の状態確認、価格交渉、船積み手配、書類作成、輸送中のリスク、為替の変動、国ごとの規制、お客様との認識違いなど、いくつもの難しさがあります。
中古車は新車と違い、一台一台状態が違うため、同じ車種であっても走行距離、年式、使用環境、整備履歴によって価値もリスクも変わります。
だからこそ、誠実な説明が必要です。
良い部分だけを伝えるのではなく、必要な情報を正しく伝え、できることとできないことをはっきり伝え、分からないことを分かったふりで進めないことが、海外ビジネスでは特に大切だと感じています。

海外のお客様は、遠い国から日本の会社を信じてお金を送ってくださいます。
実際の車を見る前に、写真や説明、そして私たちの言葉を信じて判断してくださるわけですから、これはとても重いことです。
その信頼に対して、私たちは責任を持たなければなりません。
日本車を世界に届けるということは、車だけを送ることではなく、日本への信頼も一緒に届けているということだと思っています。
もし私たちの対応が不誠実であれば、お客様はEVERYだけでなく、日本の会社そのものに不信感を持つかもしれません。
逆に、丁寧で誠実な対応を続ければ、日本の会社は信頼できると感じてもらえるかもしれません。

一つの取引は小さく見えるかもしれませんが、その小さな取引の積み重ねが、会社の信用になり、日本への信頼にもつながっていきます。
だからこそ、私たちは一台の輸出を軽く考えてはいけないと思っています。
車を売ることだけを目的にすると、判断が短期的になります。
少しでも高く売る、早く売る、都合の悪いことを言わないという仕事の仕方も、世の中にはあるかもしれません。
しかし、それでは長く続きません。
特に海外ビジネスでは、信頼を失うスピードはとても速く、一度失った信頼を取り戻すには、長い時間がかかります。

だから私は、短期的な利益よりも、長期的な信頼を大切にしたいと考えています。
もちろん、会社である以上、利益は必要です。
利益がなければ、社員を守ることも、事業を続けることもできません。
しかし、利益は信頼の上に積み上げるものだと思っています。
信頼を削って得る利益は長く残らず、信頼を積み重ねた結果として得る利益こそ、会社を本当の意味で強くしていくものだと思います。

私たちが目指しているのは、ただ台数を売る会社ではありません。
「この会社に頼めば安心できる」
「この会社とは長く付き合える」
「日本から買うならEVERYに相談したい」
そう思っていただける会社です。
そのためには、返信の早さ、説明の正確さ、写真の送り方、書類の確認、船積みの連絡、トラブル時の対応など、日々の小さな対応を一つずつ大切にするしかありません。
一つ一つは小さなことでも、お客様はその小さな部分を見ていて、その積み重ねの中で、信頼できる会社かどうかを判断しています。

日本車を世界に届ける仕事は、日本のものづくり精神を世界に届ける仕事でもあります。
壊れにくいこと、長く使えること、整備しやすいこと、細部まで考えられていること。
そうした日本車の価値は、世界の現場で今も生きています。
そして、その価値を正しく伝え、必要な国へ届けることが、私たち商社の役割です。
メーカーのように車を作ることはできませんし、整備工場のように車を直すことが主な仕事でもありませんが、私たちは車とお客様をつなぐことができます。
日本の価値と世界の需要をつなぐことができます。
ここに、商社としての存在意義があると思っています。

私は、この仕事を続けていく中で、何度も日本車の力を感じてきました。
古いトラックでも海外では大切に使われ、古いバスでも地域の交通を支え、古いトラクターでも農家の仕事を助けることがあります。
日本では当たり前に見えるものが、世界では大きな価値になる。
その現実を見るたびに、この仕事にはまだ大きな可能性があると感じます。
そして同時に、日本車を世界に届けるということは、日本の価値を預かる仕事でもあるのだと感じます。

その価値を雑に扱ってはいけない。
安易に売ってはいけない。
一台一台に対して、誠実でなければならない。
そう思っています。

これからも私たちは、働く日本車を必要としている国へ届けていきます。
派手な仕事ではありません。
一つ一つ確認し、連絡し、手配し、届けるという、地味な作業の連続です。
しかし、その先には、車を待っている人がいて、仕事で使う人がいて、家族を支える人がいて、地域で必要とされる現場があります。
そのことを忘れずに、これからも一台一台を大切に届けていきたいと思います。

日本の魅力を世界へ。
この言葉は、私にとって単なるスローガンではありません。
日本車を世界に届ける仕事を続ける中で、少しずつ形になってきた考え方です。
日本で生まれた価値を、世界で必要としている人へ届けること。
その橋渡しをすること。
それが、株式会社EVERY TRADINGの仕事であり、私自身がこの仕事を続ける意味の一つです。

次回は、「『日本の魅力を世界へ』という考え方」について書きたいと思います。

株式会社EVERY TRADING
代表取締役 渡部雄一郎

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です