CEOブログ|小さな会社であることの意味

会社を経営していると、売上高・社員数・在庫台数・拠点数といった「規模」について考えることがあります。一般的には、これらが大きくなることが会社の成長として語られますし、EVERYにも規模を追い求めた時期がありました。

20年前の創業から少しずつ事業が成長し、会社として次の段階に入った頃です。当時の私は、人材を増やし、在庫を増やせば、それに比例して売上も増え利益も増えていくと考えていましたが、今振り返ればあまりにも単純すぎる考え方でした。

「人を増やす」
「在庫を増やす」

そうすれば事業は自然に成長していく。そんな勝手な方程式を自分の中につくってしまっていました。

しかし、当然のことながら経営はそれほど単純ではありません。人が増えればマネジメントが必要になり、在庫が増えればそれだけ多くの資金と管理コストが必要になります。売上が増えたとしても、粗利益や固定費、資金効率を正しく見ていなければ最終的に利益が残るとは限りません。

そして何より、会社の規模を大きくすることに意識が向きすぎると、本来見るべき顧客が見えなくなっていきます。この時期、EVERYは規模を目指した結果として、大切なものを失いました。

一つは利益であり、そして、それ以上に大きかったのが顧客からの信頼でした。組織が大きくなるにつれて情報が分散し、判断にも時間がかかるようになり、そうした小さなズレが積み重なった結果、顧客との距離も少しずつ広がっていきました。会社を大きくすることに意識を向けるあまり、顧客を見る時間が減っていたのだと思います。

今振り返ると、あの時期は「規模を目指している」という言葉の裏で、経営者として本来考え続けなければならないことを一部放棄していたのかもしれません。ただ”規模という希望”を目指していれば会社は成長するという考え方は、経営というよりも私自身の怠慢だったと今は思っています。

当然、その代償はあまりにも大きなダメージとなりましたが、この経験を通して、私の中で会社の成長に対する考え方は大きく変わりました。

大切なのは、この会社がどれだけ顧客に価値を提供できているのか、どれだけ信頼されているのか、そして、その結果としてきちんと利益を残せているのかということです。

その経営危機以来、私は「規模そのもの」を経営の目的にしなくなりました。EVERYは現在も決して大きな会社ではありませんが、少人数で日本全国から車両を仕入れ、世界各国の顧客と商談し、輸出を行っています。

100カ国を超える国々と取引してきましたが、それを支えてきたのは大きな組織ではなく、一人ひとりの判断と行動の積み重ねです。

小さな会社には、小さな会社なりの強さがあります。判断が速く、顧客との距離が近く、問題が起きたときにはすぐに動くことができる。そして、市場が変化したときには、自分たち自身も柔軟に変化することができます。

特に海外ビジネスではこの柔軟性は非常に大きな意味を持ちます。国によって輸入制度も、求められる車両も違い、為替や船賃、市場環境も常に変化しています。

昨日まで正しかった方法が明日も正しいとは限りません。だからこそ、必要以上に組織を大きくすることよりも、変化に対応できる会社であり続けることを大切にしています。

今は、その方がEVERYらしい成長だと考えています。もちろん規模を否定しているわけではなく、これから事業が成長していけば、売上も組織も今より大きくなっていくと思います。

ただ、順番を間違えてはいけない。

信頼と利益を積み重ね、その結果として規模が大きくなっていく。それが本来の成長であり、規模を大きくするために信頼や利益を犠牲にしてしまえば本末転倒です。

一度、その順番を間違えた経験があるからこそ、今はそう考えています。

小さくても、顧客から信頼され、利益を生み出し、社会から必要とされる会社は強い。EVERYもそんな会社であり続けたいと思っています。

株式会社EVERY TRADING
代表取締役 渡部雄一郎

あなたのクルマを、必要としている国へ
トラック・中古車買取/エブリィ/新潟県新潟市
自動車輸出・貿易コンサルティング/株式会社エブリィ
Japanese Used Truck, Bus, Tractor, Cars exporter since 2006

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です